
7⇒13、1⇔13、1、9、8、3、4 (20点)
13⇒7⇔1、9、8、3、4 (10点)
今年の3歳馬は例年と比べて小粒。さらに脚質的にも怖さを感じない馬が揃っただろう。過去の歴史をみても最速上がりは3回以上。または二千二、二千四のいずれかの持ち時計がNo3以内が一応の目安。数字的な裏付けある馬の好走率は格段に高くなっているのが現実で、今年の3歳馬には過去好走してきた3歳馬のような胸を張れる数字を持っていない。
その中でエリカエクスプレスは逃げ馬苦戦のレースで単調な逃げ気性。しかも最速上がり未経験で二千四の持ち時計No11。とりわけ前走は先行馬揃いだったにもかかわらず、各馬が早々に控えてまるでこの馬に楽をさせてあげたような譲り合い。単騎逃げがすべての好走要因だった事実。時計も24年と比較すればひと回り以上も格下的な数字だった。二千以上では控えた時点で策のなくなるスピード型。相当な鞍上マジックが必要になる。
リンクスティップは戦績が似ている昨年のレガレイラの悪夢が蘇る。たった1勝でしかも2歳時の未勝利戦だけ。驚くような決め手があるわけでもないのになぜか前2走で人気になり続けた人気先行タイプ。前々総崩れで単に展開がはまった桜花賞3着がイメージを底上げしているとはいえ、上がり33秒台以下は前走のみ。前2走で上がりNo5、6に瞬発力不足や勝負弱さが裏付けられている。大きく崩れないが勝ち切れないのがこの馬の本質。古馬相手に初の56キロでこれまで以上のパフォーマンスは計算しづらい。
超スローを単騎逃げで振り切った前々走はあくまでフロック勝ち。ケリフレッドアスクはエリカ以上に試練が高い。ハナ以外ではこなせる程度の立ち回りでとにかく致命的な決め手、瞬発力不足に陥っている。二千以上の持ち時計はもちろん千六、千八を含めても何ひとつ誇れる持ち時計のない現状。すでに八方ふさがり。
パラディレーヌはクラシック無縁の鞍上に託したことを後悔すべきだろう。鞍上は勝ち鞍を増やしても本質の勝負弱さが昔のまま。ローカル専門騎手が主要競馬場で案の定、ミスを連発して足を引っ張り続けた。オークスではギリギリ常識的な立ち回りだったが、前々走は暴走していた先行馬の直後に直線でコース選択する判断の悪さ。当然、バテた馬が壁になって正味1ハロンだけの競馬。4角前から外へ意識が高ければ確実にもっと際どいレースができたことは0秒5差からもはっきり示されている。前走は例年以上に遅いラップだったが、向正面で先頭からはるか後方の位置取り。うまい立ち回りを早々にあきらめて知恵も工夫もない乗り方だったことは2着馬エリカより1秒も速い上がり時計で届かなかったことがその証。少なくても内回りから外回りで最大限の条件好転。何より待ちに待った乗り替わりで最速上がり4回の切れ者に輝ける舞台が整った。
対する古馬は少数精鋭。昨年とは経験値も違うが何より今年のメンバーレベルは相当低いとみてレガレイラの復権が計算もイメージもできるようになった。とにかく1人気を裏切った昨年よりすべての面で誇れる数字を手に入れている。
昨年はたった2勝でいずれも2歳時のレース。牝馬ながら皐月賞、ダービーにねじ込まれた不運の馬とはいえ、ローズSを含めて3戦連続で人気を裏切り続けた事実。これら3戦はすべて最速上がりでも着差以上の完敗で、この馬自身で窮地から抜け出せるような器用さも破壊力もなく、意外にも淡泊な面を兼ね備えていたからこその内容だっただろう。中山が絶対的なホームコースとなる可能性は否めないが、息の合うコンビ誕生で生まれ変わったことに間違いない。いつもより積極策で3戦中2戦で最速上がり。前々走はキャリア最高体重、大外枠、渋った馬場、道中行きたがったことなど数々の負の要素がリンクしたことを敗因と割り切れば再び関西遠征、直線の長い外コースという懸念されても難なくクリアできる好条件が揃っている。勝つにしても辛勝で単あって連なしタイプと割り切って狙う。
何度ミスしても決して乗り替わりなし。ココナッツブラウンのコンビ続投は個人馬主だからと納得するしかない。クラブ馬ならば前々走で一発レッドカード。小回りの立ち回りと思えず、人気馬としての立場を完全無視した向正面ギブアップの位置取り選択には客観的にみても醜い乗り方だったことは言うまでもない。以前よりさらに悪癖馬として色濃くなり、常識的な立ち回りが望み薄の鞍上に託した時点で主役から脇役へ降格せざるを得ないだろう。少なくても牝馬限定なら現役トップクラスの瞬発力。最速上がりと上がり33秒台以下の回数、ベスト上がり時計は7回、4回、32秒7のレガレイラに対してこの馬は8回、5回、32秒8。瞬発力だけなら互角以上の評価をしていい。未知なる距離延長がどう転ぶかだが、どのみち工夫なしの乗り方で徹底待機を選択するのはみえみえの鞍上。単より連軸向きの人気馬として扱うしかない。
過去10年の3着以内の30頭中、前走が千六だったのはわずか1頭、16年ミッキークイーンだけだがオークスと秋華賞の牝馬二冠。同じ前走千六だったボンドガールとは月とスッポン、大人と子供ぐらいの絶対的なレベル差がある。"最強の1勝馬"より"最凶の1勝馬"という称号がしっくり。重賞で人気になり続けて度重なるポカを連発する他力本願型のマイラーという本質が浸透しない不思議な馬。ひと夏を越して、よりマイラー色が強まる傾向を無視してまさかの千八挑戦した前走を一過性のポカとみてここへの参戦がまた驚き。千六でも随所に折り合い難を露呈するほど気難しさを抱えて、末脚はすでに錆び付き始めているのが現実。最速上がりを連発していたのはすでに昔話。距離ベストのGⅢでも勝てず、さらなる追い打ちは芝中距離GⅠで無縁のダイワメジャー産駒という血統的な負の裏付け。乗り替わった新しいコンビもいいイメージが浮かばない。
カナロア産駒にとって二千が試練になるにもかかわらず、さらなる距離延長でGⅠという大舞台。カナテープにとって相手云々より自身の距離克服に全精力が注がれるだろう。とにかくカナロア産駒が二千二以上に良績を残すにはアーモンドアイ級の実績と能力がなければ届かない絶対領域。基本、マイラーとして生まれる仔の多さが大きな要因だが、この馬も例外なく千六~千八ベストのスピード型として完成されている。千八(422202)でこれだけ経験を重ねても持ち時計No5が現実。驚くような数字がないために直近の千八では平凡な上がり時計で勝ち上がれなかったことが能力の限界の近さを証明している。休み明け(323102)から叩き2戦目(121001)、東京(442100)から京都(000001)へ。これだけ条件悪化すれば鞍上強化でも魅力は薄れる。
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